再犯は足切断の刑 1
彼女の出身地をきいたとき、わたしはドキッとした。
サウジアラビアと答えたからだ。
年のころは20代半ば。
肌はやや浅黒く、骨ぐみはガッチリしています。
アラブ人特有の目婦立ちがくっきりした顔立ちは、一目でアメリカ人とはどこかちがうと感じとれた。
旅行中、女はおろか、男にだってサウジアラビア人に出会ったことはない。
そのくらいめずらしい存在なのです。
「アメリカに留学中で、いま、夏休みなのでバスでまわっているの」と、ジーンズ姿の軽装で彼女はいった。
こうした偶然に日本の男とサウジアラビアの女が、世界の歓楽街ラスベガスで出会ったのは、なにかの因縁にちがいありません。